隠れた名所100:箱根神社 (箱根) “100 Hidden Gems in Hakone Shrine (Hakone) Even Locals Don’t Know”

ようこそ、箱根の神秘に満ちた旅へ!今回は、私が長年この地に住み、語り継がれる歴史の重みを感じてきたからこそ知る、とっておきの場所、「箱根神社」をご紹介します。地元の人々にとっては馴染み深い存在ですが、その奥深さや隠された魅力の数々は、訪れるすべての人に新たな発見をもたらしてくれるはずです。特に、初めて箱根を訪れる方、そしてちょっぴり通な旅をしたい外国人観光客の皆さんに向けて、箱根神社の魅力とその楽しみ方を、私の知る限りの知識を尽くしてご案内しましょう。

箱根神社とは? その歴史と神話の息吹

箱根神社は、その名の通り、風光明媚な箱根山の宝物殿として、古くから人々に親しまれてきました。創建は、今から1200年以上も前の奈良時代。箱根大神(はこねのおおかみ)をお祀りする、悠久の歴史を持つ神社です。

この地が選ばれたのには、古事記にも記されている、日本神話にまで遡る壮大な物語があります。国土創生の神であるイザナギノミコトとイザナミノミコトが、この箱根の山々を創造したという伝説。そして、その子であるハコネノオオカミが、この地に鎮座し、人々の平和と繁栄を見守ってきたと伝えられています。

歴史を紐解けば、源頼朝が武家政権を樹立する際に、この箱根神社で戦勝祈願を行ったことでも有名です。また、江戸時代には東海道の宿場町として栄えた箱根の守護神としても、多くの旅人や武将に崇敬されてきました。

なぜ「隠れた名所」なのか?

「箱根神社は有名なのでは?」と思われるかもしれません。確かに、その存在は広く知られています。しかし、私が「隠れた名所」と呼ぶのは、多くの参拝客が、本殿や平和の鳥居といった象徴的な場所を巡るだけで満足してしまうからです。

箱根神社の真の魅力は、境内やその周辺に点在する、歴史の証人とも言える小さな祠(ほこら)や、自然と調和した静寂な空間にこそ宿っています。これらの場所は、ガイドブックにはあまり詳しく載っていないことも多く、地元の人々でさえ、その存在を知っていても、その由来や意味合いまで深く理解しているとは限りません。

箱根神社の魅力:知られざる見どころ

では、具体的にどのような魅力が隠されているのでしょうか。私が特におすすめしたい場所をいくつかご紹介します。

1. 平和の鳥居:水面に映る神秘

箱根神社といえば、芦ノ湖に浮かぶ朱塗りの「平和の鳥居」を思い浮かべる方が多いでしょう。この鳥居は、箱根神社の第三十四代宮司・箱根源泉氏が、平和への願いを込めて奉納したものです。湖面からそびえ立つ姿は、まさに圧巻。時間帯や天候によって、その表情は刻々と変化し、神秘的な雰囲気を醸し出します。

【訪れる際のヒント】

  • 早朝の訪問: 観光客が少ない早朝に訪れると、鳥居の美しさを独り占めできます。湖面に映る鳥居は、朝日に照らされて幻想的な光景を作り出します。
  • 写真撮影: 風のない穏やかな日には、湖面に鳥居が綺麗に映り込み、絶好の写真撮影スポットとなります。

2. 本殿とその周辺:力強い自然との調和

湖畔から山を登っていくと、木々に囲まれた静かな本殿にたどり着きます。本殿自体も重要ですが、その周辺にも注目です。

  • 御神木: 本殿の横には、樹齢800年とも言われる巨大な杉の御神木があります。その威厳ある姿は、訪れる者に力強い生命力を感じさせてくれるでしょう。
  • 足元に注意: 本殿へと続く石段は、苔むしている場所もあります。雨の日などは滑りやすいので、歩きやすい靴で訪れることをおすすめします。

3. 宝物殿:秘宝の数々

箱根神社には、古くから奉納されてきた貴重な宝物が数多く収められています。宝物殿では、源頼朝が奉納した太刀や、重要文化財に指定されている神像などを見ることができます。これらの宝物は、箱根神社の歴史の深さを物語っています。

4. 九頭龍神社・新宮:水の神様との繋がり

箱根神社の境内から少し離れた場所には、九頭龍神社(くずりゅうじんじゃ)があります。こちらは、水や縁結びの神様として信仰されています。箱根神社との関係も深く、九頭龍大神は箱根大神の娘とも言われています。

  • 本宮: 芦ノ湖の北岸にひっそりと佇む本宮も神秘的です。湖畔から訪れることができます。
  • 新宮: 箱根神社から比較的近い場所にある新宮も参拝しやすいでしょう。

5. 湧玉(わくたま)の泉:清らかな水の源

境内奥にひっそりと佇む「湧玉の泉」。ここは、箱根神社の清らかな水の源と言われています。澄んだ泉から湧き出る水は、古くから神聖なものとして扱われてきました。静かに手を合わせ、その清らかさを感じてみてください。

箱根神社の楽しみ方:旅を豊かにするヒント

服装について

  • 歩きやすい靴: 箱根神社は、山の中にあり、境内も坂道や石段が多いです。ハイキングシューズやスニーカーなど、歩きやすい靴は必須です。
  • 季節に応じた服装: 箱根は夏は涼しく、冬は寒さが厳しい地域です。訪れる季節に合わせて、重ね着できる服装を準備しましょう。夏でも朝晩は冷え込むことがあります。
  • 雨具: 箱根は雨が多い地域です。折りたたみ傘やレインコートがあると安心です。

食事について

箱根神社周辺には、本格的な和食を楽しめるお店がいくつかあります。

  • 蕎麦・うどん: 地元産の蕎麦粉を使った蕎麦や、温かいおうどんは、参拝後の休憩にぴったりです。
  • 箱根のご当地グルメ: 季節の食材を使った料理や、蕎麦粉を使った「そばがき」などもおすすめです。
  • 軽食: 参道には、お土産屋さんを兼ねた軽食処もあります。甘味や茶そばなどを楽しめます。

アクセス方法

箱根神社へは、公共交通機関でのアクセスが便利です。

  • 電車:
    • 箱根登山鉄道「箱根湯本駅」から、箱根登山バス「元箱根港」または「箱根町港」行きに乗車し、「箱根神社入口」または「元箱根港」で下車。バス停から徒歩数分です。
    • 小田急線「小田原駅」からも、箱根登山バス「元箱根港」方面行きに乗車できます。
  • 車:
    • 東名高速道路「厚木IC」から小田原厚木道路を経由し、箱根新道へ。約1時間半~2時間程度です。
    • 境内には駐車場がありますが、観光シーズンなどは混雑が予想されます。

【外国人観光客への注意点】

  • 「鳥居」の文化: 日本の神社の鳥居は、神聖な場所と俗世を分ける結界のようなものです。鳥居をくぐる際は、軽く一礼するのが一般的です。
  • 手水舎(ちょうずや): 参拝前に手や口を清める場所です。柄杓(ひしゃく)の使い方を覚えておくと、より丁寧に参拝できます。
    1. 左手で柄杓を持ち、水を汲みます。
    2. 左手を洗います。
    3. 柄杓を右手に持ち替え、右手を洗います。
    4. 柄杓を左手に持ち替え、左手に水を溜め、口をすすぎます。(直接柄杓に口をつけないように注意)
    5. 最後に柄杓を立て、残った水で柄を清めます。
  • お賽銭: 神社へのお参りは、まずお賽銭を賽銭箱に入れます。
  • 静粛に: 神社は神様をお祀りする神聖な場所です。大声で騒いだり、神様を軽んじるような行為は控えましょう。
  • 写真撮影: 基本的に境内での写真撮影は可能ですが、本殿内や宝物殿など、撮影禁止の場所もありますので、注意書きを確認しましょう。

だいたいの費用

箱根神社への参拝自体は無料です。しかし、旅全体でかかる費用は、どのような旅をするかによって大きく変動します。

  • 交通費:
    • 東京から箱根湯本までの往復電車賃: 約2,000円~4,000円(特急料金による)
    • 箱根登山バス(箱根湯本~箱根神社入口): 片道約500円
    • 箱根フリーパス: 箱根エリアの多くの交通機関(箱根登山電車、箱根登山バス、箱根ロープウェイ、箱根海賊船、箱根登山ケーブルカー)が乗り放題になる便利なパス。2日間で約5,000円~6,000円程度。これが一番おすすめです。
  • 宿泊費:
    • ユースホステル・ゲストハウス: 1泊 3,000円~6,000円
    • ビジネスホテル: 1泊 8,000円~15,000円
    • 温泉旅館: 1泊 15,000円~
  • 食費:
    • 1日あたり 3,000円~6,000円(食事の内容による)
  • その他:
    • 宝物殿拝観料: 500円程度
    • お土産代

【例:東京から1泊2日の箱根神社参拝旅行(箱根フリーパス利用、中級ホテル宿泊)】

  • 交通費(フリーパス含む): 約6,000円
  • 宿泊費: 約12,000円
  • 食費: 約8,000円
  • その他(拝観料、お土産など): 約3,000円

合計: 約29,000円

もちろん、これはあくまで一例です。より節約したい場合は、素泊まりの宿を利用したり、お弁当を持参するなどの方法もあります。

まとめ:箱根神社の魅力を存分に味わうために

箱根神社は、単なる観光名所ではありません。そこには、悠久の歴史、神話の息吹、そして力強い自然との調和が息づいています。今回ご紹介した「隠れた名所」や楽しみ方を参考に、ぜひあなただけの箱根神社の魅力を発見してください。

平和の鳥居を抜けて、静寂な森の中を歩き、古の神々が宿るこの地で、心洗われるひとときをお過ごしください。きっと、訪れるたびに新たな発見があるはずです。それでは、素敵な箱根の旅を!

コメント

タイトルとURLをコピーしました