金沢へようこそ!この古都には、兼六園やひがし茶屋街など、誰もが知る名所がたくさんありますが、今回は地元の人でも意外と知らない、いや、知っていてもその奥深さに気づかないかもしれない、そんな特別な場所をご紹介しましょう。その名も「妙立寺」、通称「忍者寺」です。
妙立寺(忍者寺)とは?
妙立寺は、金沢の町にひっそりと佇む日蓮宗のお寺です。しかし、その外観からは想像もつかないほどの秘密が隠されています。なぜ「忍者寺」と呼ばれるのか? それは、お寺の構造が、まるで忍者の隠れ家のように巧妙に仕掛けられているからです。
隠された仕掛けの数々
妙立寺の最大の見どころは、その内部に張り巡らされた数々の仕掛けです。
- 落とし穴: 敵が侵入してきた際に、突然現れる落とし穴に落とす仕掛け。
 - 隠し階段: 普段は壁にしか見えない場所に隠された階段。これを利用して、敵の意表を突いたり、逃走したりすることができたと言われています。
 - 偽の通路: 敵を惑わすための、行き止まりの通路や、複雑に折れ曲がる迷路のような通路。
 - 仕掛け扉: 押すと開く、引くと開く、あるいは特定の仕掛けを施さないと開かない扉など、様々な種類の仕掛け扉が存在します。
 - 腹切り台: 最悪の事態に備え、自刃するための場所も用意されていたとされています。
 
これらの仕掛けは、江戸時代初期、加賀藩の保護下にあった時代に、藩主を守るための防衛策として造られたと考えられています。敵の侵入を想定し、いかにして侵入者を撃退するか、あるいは退却するか、という知恵が結集されているのです。
参拝の際の注意点
妙立寺は、ただ見て回るだけのお寺ではありません。必ず事前に電話予約が必要です。当日の予約はほぼ不可能なので、計画段階で早めに手配しましょう。また、内部は撮影禁止です。その理由も、仕掛けの秘密を守るため、そして何よりも、このお寺に込められた歴史と知恵を、五感で感じてほしいという思いがあるからです。
服装についても、いくつか注意点があります。
- 歩きやすい靴: 内部は階段が多く、歩き回るため、スニーカーなどがおすすめです。
 - 露出の少ない服装: お寺なので、過度な露出は避けましょう。
 - 夏場は涼しく: 空調設備があまり整っていないため、夏場は涼しい服装で訪れるのが良いでしょう。
 
金沢での交通手段としては、JR金沢駅からバスを利用するのが一般的です。
- バス: JR金沢駅東口バスターミナルから、約10分。「小立野」または「辰巳町」バス停で下車。そこから徒歩数分です。
 
費用について
- 拝観料: 1,000円(2023年現在、変更される可能性あり)
 - 予約: 電話予約必須(無料)
 - 交通費: 金沢駅からのバス代など(往復で数百円程度)
 
食事について
妙立寺周辺には、観光客向けの飲食店というよりは、地元の人々が利用するような昔ながらのお店が多い印象です。金沢らしい和食や、地元の食材を使った料理を楽しみたい場合は、中心部に戻ってから探すのがおすすめです。例えば、金沢駅周辺には、海鮮料理店や郷土料理店が多数あります。
訪れるべき理由
妙立寺は、単なる歴史的建造物ではありません。そこには、当時の人々の知恵、工夫、そして権力者や町を守ろうとする強い意志が息づいています。まるで、タイムスリップしたかのような感覚を味わえるでしょう。
- 知的好奇心を刺激: 隠された仕掛けを解き明かしていく過程は、まるで探偵のよう。
 - 歴史のリアルな体感: 書物で読む歴史とは違い、五感で当時の様子を感じられます。
 - ユニークな体験: 他のお寺では決して味わえない、スリリングで知的な体験ができます。
 
金沢の街を歩くだけでは見えてこない、もう一つの顔。それが、この妙立寺(忍者寺)にはあります。ぜひ、あなた自身の目で、その秘密を解き明かしてみてください。きっと、忘れられない金沢の思い出となるはずです。
  
  
  
  

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